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2023年 05月 06日
プロローグWindows 用デスクトップアプリケーション開発における話。 たまーに、開発環境では再現しないのに、本番環境でのみ再現するという面倒くさい不具合に遭遇することがある。そのような不具合の調査にあたり、VirtualBox や Hyper-V などの仮想化技術を使って、Windows OS を新規作成した仮想マシン上にクリーンインストールして調査作業をすることがある。しかし、苦労しつつも不具合の再現に成功した場合、その不具合が再現する貴重な仮想マシンを、遠距離にいる他のメンバーと共有したくなった場合にさてどうしようか、と考える。というのも、そういった仮想マシンの仮想ディスクファイル (例えば .vhdx ファイルとか) は、往々にして 20~30GB ほどあるのだが、このサイズのファイルをどうやってリモート越しに転送したものか自分にはいいアイディアの持ち合わせがないのだ。 では、自分の PC 上で稼働しているその Windows 仮想マシンを、他のメンバーからリモート越しにいじれるようにリモートデスクトップ接続をインターネット上に公開するのはどうだろうか。これはこれで、自分は使用しないのに、他のメンバーが自 PC 上の仮想マシンを使用するというために、自 PC の CPU やメモリを持って行かれるのも微妙な気持になる。さらには、共有したいメンバーとタイムゾーンが一致しない場合は 24 時間自 PC を起動しっぱなしにしなければならないなど、これはこれでしんどい。 だったら、ローカル PC 上に仮想マシンを作るんじゃなくて、クラウドサービス上に Windows 仮想マシンを作って、そこにリモートデスクトップ接続して、使い合えばいいんじゃないかな、という結論に至った。 そこで今回は、クラウドサービスのひとつである Microsoft Azure 上に、Windows 11 Pro 22H2 の仮想マシンを新規構築し、リモートデスクトップで接続して利用できるようにする手順を記す。前提条件としては、すでに Microsoft Azure のサブスクリプションは契約済みであるものとして話を進める。 仮想マシンの作成まずは Web ブラウザで Microsoft Azure のポータルサイト ( https://portal.azure.com/ ) を開く。人によって表示される画面は様々だと思うが、ここでは Azure ポータルの「ホーム」画面から、「リソースの作成」をクリックして、仮想マシンの新規作成を開始することにする。 「リソースの作成」をクリックすると、続けて、Azure 上に数あるサービスのなかから何を作成するのか選ぶ画面になる。ここで「仮想マシン」の項目を、検索等を駆使して探し出し、その「作成」ボタンをクリックする。 基本「仮想マシンの作成」画面になる。ここから、「どういう仕様・構成の仮想マシンを作るのか?」を細々指定していく。まずは「基本」のカテゴリについて指定していく。 サブスクリプション 仮想マシンを構築し課金対象となるサブスクリプションを選択する。 リソースグループ Azure を使い慣れていないと躓きがちなのが、この「リソースグループ」。自分も理解が微妙な心配がするが、さておき、ざっくりいうと、Azure 上に作成した各種サービス (=資源、リソース) を束ねる「枠組み」だ。Azure 上で何かサービスを作成して利用するには、そのサービスを必ず何かしらのリソースグループに所属させる必要がある。リソースグループの単位で他のユーザーへのアクセス可否を設定したり、リソースグループの削除によってそのリソースグループに所属しているサービスすべてをごっそり削除したりなど、「Azure 上に立てた様々なサービスを、それらサービス同士の関連ごとにグループに分類して管理する」仕組みだ。 実際、今回作成したいのは「仮想マシン」であるが、実は Azure 上に仮想マシンを立てる場合は、仮想マシンそのもの以外に、「マネージドディスク」や「仮想ネットワーク」など、他の Azure 上の各種サービスも必要となる。そういった「仮想マシン」本体以外の関連するサービス群を、同じリソースグループ内に収納することで、管理がぐっとやりやすくなることがわかるかと思う。 ということで、ここでは、これから作成される仮想マシンおよび関連サービスを収納する先のリソースグループを指定する。既に作り置きしてあるリソースグループに所属させたい場合は、このドロップダウンリストから選択すればよいし、新しいリソースグループをこの場で作成しながら進めるには、「新規作成」をクリックしてその新たに作るリソースグループの名前を入力して進めればよい。 仮想マシン名 好みの名前を指定する。なお、ここで指定した仮想マシン名が、(今回は Windows OS をインストールするのであるが) そのままその仮想マシン内の OS に設定されるコンピューター名 (ホスト名) になる。 地域 どこにある Azure のデーターセンター内に仮想マシンを構築するのかを指定する。 どこに立てても問題はないが、利用者と地理的に近いほうがたいていの場合ネットワーク的にも近いことが多いと思うので、そうすればレイテンシもより低く抑えられると思うので、そのあたりを考えて選択するといいのだろう、と思う。 可用性オプション 可用性、すなわちシステムがダウンせずに継続して稼働する性能をどこまで求めるのかを指定する。今回は、この仮想マシンで何か本番運用するというわけではないので、可用性はまったく考慮しないことから「インフラストラクチャ冗長は必要ありません」を選択した。 セキュリティの種類 ここは「トラステッド起動の仮想マシン」を選択しておく。そうすると、vTPM などのセキュリティ関係の機能が有効になり、Windows OS の更新などにおいて問題なく扱えるようになる。 イメージ 構築する仮想マシンの OS イメージを選択する。今回は Windows 11 Pro version 22H2 x64 Gen2 を選択した。 VM アーキテクチャ 仮想マシンのプロセッサアーキテクチャを指定するようだ。 上記で選択した OS イメージは x64 なので、これから構築する仮想マシンのプロセッサアーキテクチャは当然 x64 ということになり、選択の余地はない。既定のまま進める。 Azure Spot 割引で実行する 今回は割引は利用しない。よってチェックボックスは OFF のまま進める。 サイズ 仮想マシンの性能を選択する。vCPU の数やメモリ、ディスクの容量や性能などの違いで、様々な仮想マシンサイズが選べるようになっている。当然、性能がよいほど、お値段も高くなる。ドロップダウンリストからよく使われているオススメのサイズを選択しても良いし、「すべてのサイズを表示」をクリックすると、より広い画面で各種性能指標や価格を表形式で見比べなら選ぶこともできる。自分はいったん「すべてのサイズを表示」をクリックし、より広い選択画面にて、vCPU の数を 2、メモリのサイズを 8 GB に絞り込み検索して、1時間あたり約 16 円ほどのサイズを選択した。 管理者アカウント 管理者アカウントのユーザー名とパスワードを指定する。 これから構築する Windows 仮想マシン上に、ここで指定したユーザー名・パスワードのローカルアカウントが用意される。すなわち、この仮想マシン構築後、リモートデスクトップで接続する際に、このユーザー名とパスワードで認証することになる。 受信ポートの規則 これから構築する仮想マシンでどの TCP/IP ポートを受信用に解放するのかを指定する。 今回の要件では Windows リモートデスクトップで仮想マシンに接続するわけだが、それは Azure 上の仮想マシン利用におけるごく一般的なシナリオということで、既定でリモートデスクトッププロトコル (RDP) 用のポートが許可されている。よって、ここは既定のままとする。 ライセンス しかるべきライセンスを保有していないことには当然 Windows OS は利用できない。 自分のシナリオでは共有したいメンバー同士含め、Visual Studio サブスクリプションを契約しており、また、開発・テストの用途での利用であるため、問題ない。ということでチェックを ON にする。 ディスク以上で必要最低限の指定が完了したので、「確認および作成」ボタンをクリックして仮想マシンの構築を実行することが可能だ。 しかしここでは、他の設定カテゴリの内容をもう少し見ておきたく、「次: ディスク >」ボタンをクリックして見てみる。 VM ディスクの暗号化 - ホストでの暗号化 自分のサブスクリプションでは利用不可なので、そのままスルー。 OS ディスク - OS ディスクの種類 既定で「Premium SSD (ローカル冗長ストレージ)」が選択されているが、ドロップダウンリストを開くと他にも Standard SSD や Standard HDD などが選べたりする。しかし今回は検証作業の用途であり、リモートデスクトップで接続していろいろいじるための仮想マシンを構築しようとしているので、反応の遅い HDD を選ぶ理由はないので、このまま Premium SSD が選択された状態で進める。 [2023/05/07 追記] Premium SSD ではなく Standard SSD でも概ね充分な体感速度を得られるらしいことと、課金も Premium な SSD よりも Standard な SSD のほうが安価で済むとの追加情報を頂いた。あとで再度触れるが、仮想マシンに取り付けされるディスク = マネージドディスクは、それだけで独立した Azure のサービス (リソース) であり、そのディスクの容量や消費量、読み込みのデータ量に対して課金されるので、要注意かもしれない。今回はそこまでの事前知識がなかったので、Premium SSD を選択したまま進めた。 OS ディスク - VM と共に削除 この仮想マシンの使用用途がなくなって仮想マシンを削除したときに、この仮想マシンに取り付けられていた OS ディスクも同時に削除されるようにするオプションらしい。前述のとおり、リソースグループの枠組みで、仮想マシン本体とそれに取り付け・接続される関連サービスをいっきに削除することもできると思うが、なんとなく今回はチェックを ON に変更してみた。 OS ディスク - キーの管理 某かの暗号化処理にまつわるキーの管理方法だろうか、自分は理解していない。とりあえず既定の「プラットフォーム マネージド キー」のまま進める。 OS disk - Ultra Disk の互換性を有効にする 自分の構成ではそもそも変更できないので、既定のままスルー。 (仮想マシン名) のデータディスク この仮想マシンに、OS ディスク以外の追加のマネージドディスクを追加するかどうかを指定する。今回は OS ディスクがあれば充分と判断し特に何もせず進める。 ネットワーク続けて「次: ネットワーク >」ボタンをクリックして「ネットワーク」カテゴリの設定内容を見てみる。 ネットワーク インターフェース 構築した仮想マシンをどのようにしてネットワークに接続するかを構成するらしい。物理でいうなれば、スイッチングハブを 1 台もってきて転がしておき、そのスイッチングハブに (仮想だが) マシンの NIC と LAN ケーブルで結ぶイメージとなるだろうか。およびこれはいうなれば (仮想マシンをとりまく) "ローカルエリアネットワーク" を構成しているわけで、これだけでは仮想マシンはインターネットとはつながっていないことになる。しかしもうひとつ「パブリック IP」という構成があって、どうやらこれが物理でいうところの「ルーター」装置のようなものを指しているらしい。この構成によって、インターネットを経由して仮想マシンに接続可能となる。 いろいろ変更してもよいのだろうが、今回はとくに調整する必要はなかったので、既定の構成に任せて進める。 ネットワークインターフェース - VM が削除されたときにパブリック IP と NIC を削除する OS disk のところにも同じようなオプションがあったが、同じようなものと理解。必須ではないが後日この仮想マシンが不要になって削除する際に、関連するネットワークインターフェース類の Azure サービスも削除してくれてよいと考え (繰り返しになるが、今回は不具合の調査対応のための、単機の Windows 仮想マシン構築であるため、Azure 上で複数の仮想マシンを構築してそれらをネットワークで結んで連携させている、ということはないため)、このチェックを ON にしてみた。 ネットワークインターフェース - 高速ネットワークを有効にする 既定ではこのチェックは ON になっていたのだが、OFF にするとどういう影響があるのか、自分はよくは理解していない。こちらの資料を見ると「この機能は、仮想ネットワーク間で通信する場合やオンプレミスに接続する場合の待機時間への影響を最小限に抑えます」とあるので、今回の様に仮想マシン単機にインターネット越しにリモートデスクトップして使う形態だと、このオプションは ON でも OFF でも何の影響もないのかな、とも読める。とりあえず既定のまま進める。 負荷分散 今回は検証作業用途の仮想マシンを単機で利用するだけである。本番運用の Web サーバーを複数マシンで構成するとかではないので、ロードバランサーなどの負荷分散機能の利用は必要ない。そのため、既定の「なし」が選択された状態で先に進む。 管理続けて「次: 管理 >」ボタンをクリックして「管理」カテゴリの設定内容を見てみる。Microsoft Defender for Cloud とくに設定できる項目はない。 ID - システム割り当てマネージド ID の有効化 自分はこのチェックの効能を理解していない。とりあえず既定のチェック OFF のまま進める。 Azure AD - Azure AD でログインする このチェックを ON にすれば、Azure AD (Active Directory) に基づく認証で仮想マシンにサインインできるということかと思う。今回は仮想マシンのローカルアカウントでサインインできればじゅうぶんなので、既定のチェック OFF のまま進める。 自動シャットダウン なんと便利なことに、自分で凝ったスクリプトや仕組みを構築することなく、指定した時刻になったら仮想マシンをシャットダウンしてくれる機能が組み込みで備わっているらしい。仮想マシンは (ディスクなどのサイズ消費量などに関する課金以外には) 起動時間に対して課金される。今回の様に検証目的の仮想マシンだと、検証作業中以外は起動しておく意味がなく、まめにシャットダウンしておけばその間は課金されない。そういった意味で「シャットダウンし忘れ」ても、最低限、ここで指定した時刻になれば仮想マシンをシャットダウンしてくれるので安心できる次第。 ということで自分は日本時間で夜 7:00 pm になったら (それまでに自分でシャットダウンするのを忘れていても) 自動でこの仮想マシンをシャットダウンするよう構成してみた。なお、「タイムゾーン」の選択をしっかり確認・設定しておかないと、自分が期待・想定していたのとは違う時間にシャットダウンされることになるので注意。 ちなみに今回構築の仮想マシンは1時間あたり約 16 円くらいのサイズの仮想マシンなのであるが、24時間 x 30 日間起動しっぱなしだと、16 x 24 x 30 = ざっくり一ヶ月 1 万円少々が必要となる。しかし今回の用途であれば、1日のうち 4 時間くらいしか使わず、だいたい 2 営業週くらいが利用のピークなので、16円 x 1日4時間 x 10日間 = ざっくり 700円弱程度が実際の課金となる見込みだ。 [2023/05/07 追記] 課金について補足。仮想マシンを停止することで課金が止るのはあくまでも仮想マシン本体に対する課金。前でも触れたが、マネージドディスクなど仮想マシン本体以外のサービス (リソース) に関する課金は、仮想マシンを停止しても関係なく課金は継続するので、その点注意。上記課金額の試算も、あくまでも "仮想マシン" というサービス (リソース) についてのみの試算であり、マネージドディスクや仮想ネットワーク、パブリック IP などなど、仮想マシンに取り付け・接続されるその他の Azure サービス (リソース) に関する課金額については含めていない。 Site Recovery - ディザスターリカバリーを有効にする これは仮想マシンが稼働している Azure のデータセンターで何か障害が発生したときに備え、異なる地域の Azure データセンターに仮想マシンの複製を生成し、稼働させる機能のことらしい。 ただし今回のケースでは、先の「セキュリティの種類」の設定として「トラステッド起動の仮想マシン」を選択したため、この項目は無効化されている。 今回は検証作業用途の仮想マシンであるため、前述のとおり可用性もまったく要求していないこともあり、いっぽうで vTPM などの「トラステッド起動」による体験を優先したので、このまま進める。 ゲスト OS の更新プログラム - ホットパッチを有効にする ホットパッチとは、仮想マシンの OS を再起動することなく、OS の更新プログラムを適用する仕組みらしい。ただしこの機能は Windows Server 2022 Datacenter Azure Edition でのみ有効とのことなので (出典はこちら)、どのみち選択変更はできないのでこのままスルー。 ゲスト OS の更新プログラム - パッチオーケストレーションオプション OS の更新プログラムをどのように適用するのか (あるいはしないのか) を選択するオプションらしい。本番運用に利用するような仮想マシンだと、予期せずに OS の更新プログラムの適用が走り再起動とかされてはたまらないので、このようなオプションがあるのだろう。今回はそこまでの用途はないので、「OS による自動処理 (Windows の自動更新)」を選択しておいた。 Monitoring続けて「次: 監視 >」ボタンをクリックして「監視」カテゴリの設定内容を見てみる。今回は、本番運用するような仮想マシンを構築しているわけではないので、監視・診断関連の設定はとくに何もせず、既定のままスルー。 詳細続けて「次: 詳細 >」ボタンをクリックして「詳細」カテゴリの設定内容を見てみる。こちらも今回用途ではとくに何も追加事項はないので、既定のままスルー。 タグ続けて「次: タグ >」ボタンをクリックして「タグ」カテゴリの設定内容を見てみる。こちらは、仮想マシンに限らず、Azure 上に作成したサービス (リソース) に、任意のキー・バリュー値を付記できる機能。Azure 上で大量のサービス (リソース) を立ち上げて管理するようになったときに、このタグをうまく活用して補助情報を追記したり分類したりすることで、管理を可能とすることができる。今回はそこまでの規模・複雑度はないので、とくにタグ付けせずにそのまま進める。 確認および作成以上で、各種設定・構成の入力は完了だ。「次: 確認および作成 >」ボタンをクリックして、仮想マシン構築実行の前に、設定内容の確認を行なう。デプロイ待ち仮想マシン構築が開始されると、「デプロイが進行中です」の表示に切り替わる。そのまま暫く待っていると... 「デプロイが完了しました」と表示され、仮想マシンの構築が完了したことが知らされる。 以後は、こうして構築した仮想マシンに対する各種操作・作業が可能になる。構築した仮想マシンの構成画面へは、Azure ポータルの「ホーム」からももちろん辿れるし、この「デプロイが完了しました」画面に表示されている「リソースに移動」ボタンをクリックすると、その仮想マシンの構成画面に直行することも可能だ。 仮想マシンへのデスクトップ接続さて、ではこうして構築した Windows 11 の仮想マシンに、インターネット経由で Windows リモートデスクトップで接続するにはどうしたらよいか。そのためにはまず、Azure ポータル上で、その仮想マシンの構成画面を開いて見る。すると、その画面にはその仮想マシンに割り当てられた「パブリック IP アドレス」 (グローバルな IPv4 アドレス) が表示されている。なので、その IP アドレスを指定して、「リモートデスクトップ接続」アプリケーションから接続することができる。 あるいは、Azure ポータルから接続先情報を格納した RDP ファイル (.rdp) をダウンロードして、そこから接続を開始することも可能だ。そのためには Azure ポータルの仮想マシン構成画面にある「接続」をクリックする (下図)。 すると「接続」カテゴリの画面が開くので (※なので、仮想マシン構成画面の左側のカテゴリ一覧から「接続」をクリックしても同じ)、ここにある「RDP ファイルのダウンロード」をクリック (下図)。 すると「(仮想マシン名).rdp」の RDP ファイルのダウンロードが始まる。RDP ファイルは他のマシンに接続するリモートデスクトップ機能を起動することから、インターネット上からのダウンロードについてはブラウザから警告がでるが、ここでは正しいことをやっているので、「保存」をクリックしてダウンロードを継続する (下図)。 RDP ファイルのダウンロードが終わったら、これを開けばよい (下図)。 RDP ファイルが「リモートデスクトップ接続」アプリによって開かれ、RDP ファイル内に指定のあったリモートコンピューターへの接続を開始する。前述の背景から、Windows リモートデスクトップ接続の開始には慎重にあたるべきであるため、警告が表示されるが、当然このシナリオでは問題はないはずであるため、「接続 (N)」をクリックして先へ進める (下図)。 すると、接続先の仮想マシンから、認証が求められる。ここで、仮想マシンを構築するときに指定した、仮想マシンのローカルアカウントのユーザー名とパスワードを入力して「OK」をクリック。 接続の証明書に関する警告が表示されるが、証明書管理の機構は運用していないことからこの警告はやむを得ず、「はい (Y)」をクリックして接続を続行する (下図)。 これで、はい、おめでとうございます、Azure 上に構築した Windows 11 仮想マシンに、手元の自 PC から Windows リモートデスクトップを使って接続できるようになった。 なお、このようにして構築される Windows 仮想マシンの Windows OS の言語設定は英語となっているので、そこは悪しからず。上図のとおり、仮想マシン構築後の初回の接続では、その Windows のウェルカム画面が表示されるが、そもそもここからして英語となっているので、頑張って対応する必要がる。なおもちろん、Windows の「設定」("Settings") アプリから、OS の言語設定に日本語を追加して、日本語版 Windows の表示に変更することができる。 あとこれは余談だが、自分はこのようなリモートデスクトップ接続のクライアントとして、Windows に標準で付属している (上記でも使用した) 「リモートデスクトップ接続」アプリではなく、Microsoft Store から別途インストールする「Microsoft リモートデスクトップ」アプリを利用している (下記リンク先)。 「Microoft リモートデスクトップ」アプリだと、このアプリのウィンドウサイズを変更時に、接続先のリモートの Windows の解像度を、ウィンドウサイズぴったりに自動で変更してくれるのが気に入って使っている。ご参考までに。 その他の仮想マシンの操作Azure ポータルの仮想マシンの構成画面における「概要」カテゴリ画面には、「開始」「再起動」「停止」「削除」といったボタンが並んでいる (下図)。 これらボタンをクリックすることで、停止している仮想マシンを起動 (開始) したり、稼働中の仮想マシンをシャットダウン (停止) したりといった、仮想マシンに対する各種操作が可能だ。 まとめ途中こまごま説明を加えたので、仮想マシンを構築するまでの設定が多く感じられたかもしれない。しかし今回の様な検証作業用途の単機の仮想マシン構築であれば、既定のままスルーすることで OK な設定項目も多く、実際にやってみると思ったほど難しくない・面倒ではないと感じられるはずだ。ということで、検証作業用途の仮想マシンを Azure 上に構築できるようになると、インターネット越しに共同作業している他メンバーとの間で、環境を共有することができるようになるので、自分の選択肢のひとつとして習得しておくのは損はないと感じられる。 あと、自分は、「本番運用する仮想マシンを複数台構築し、仮想ネットワーク接続して連携させつつ、可用性も考慮し、データセンター障害にも事前に準備をし...」といった本格的 (?) な仮想マシン環境構築・運用は手がけたことがないため、仮想マシン構築時のオプション指定において理解できていないところも多く、本ブログ記事中では間違った理解に基づく説明をしたところもあるかもしれない。お気づきの点があればコメント等でお知らせ頂けるとありがたい次第。
by developer-adjust
| 2023-05-06 15:56
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